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ちくま大百科

【文化施設・公共施設】稲荷山温泉「杏泉閣」

所在:稲荷山(中町)

400年以上前の天正年間に、現在の荒町北部にぬるい湯が湧き出ている旨の記録が残っています。また江戸時代の天保年間には銭湯を作り、地域の名前から湯ノ崎の湯と呼んで村人が利用するようになったが、善光寺地震後は湯が止まってしまったという記録もあります。昭和に入って稲荷山の住民から温泉を作ろうとの話が持ち上がり、昭和29年(1954)信州大学の調査を経てボーリングが始まりました。同31年11月に設立総会が開催され、町と町民共同出資の「稲荷山温泉」として日帰りも楽しめる宿泊施設ができあがりました。湯ノ崎から地下パイプを通して中町の現在地まで湯を曳いているのです。平成7年(1995)11月に5階建てのホテルに建替え、「ホテル杏泉閣」と名付けて市民の憩いの場となっていましたが利用客の減少等により営業継続が困難になってしまいました。
令和2年4月破産手続きの申立てが行われ、地域の拠りどころとなっていた「稲荷山温泉」は60余年の幕を閉じました。

稲荷山温泉「杏泉閣」

稲荷山温泉「杏泉閣」

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