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ちくま大百科

【文化財・遺産・史跡】山丹

所在:千曲市稲荷山(中町)

明治から大正にかけて県下屈指の呉服商としてたいへん繁盛しました。土蔵造りの主屋は見世蔵(みせぐら)と言い、道路に面して店がありその奥に住居がある造りになっています。
欅をふんだんに使い、2階には客間など蔵座敷があります。見世蔵の後ろに中庭を配し、更に8つの蔵があります。そのすべてが完全な形で残されていて、現在も家人が暮らしています。
当時は土壁の上に白い漆喰を塗ることが豪華とされましたが、山丹は幕末の江戸の豪商の間で流行った「江戸黒」と呼ばれる、白漆喰の上にさらに黒漆喰が施されている贅の限りを尽くした仕上げとなっています。
明治10年(1877)の建築で、亀甲積みの石垣の上に直方体に切った土台を据えた耐震工法や、軒下や窓の戸まで分厚い土壁で覆っている耐火工法などを見ることができます。
稲荷山の隆盛時を物語る代表的な建物です。

山丹

山丹

【参考事項】

・稲荷山400年の歩み 他
・千曲カルタ

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