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ちくま大百科

【文化財・遺産・史跡】岩船地蔵尊

所在:千曲市若宮

大正橋から若宮方面に向かう黒彦団地(昭和47年造成開始)入口近くの県道沿い左側に突き出た「葦が鼻」という高さ5m程の崖上に地蔵尊が祀られています。大化(645~650年)の頃からとの言い伝えがあり、千曲川の対岸へ向けての渡し場の痕跡だとされています。かっての千曲川はこの麓を流れていたことになります。
祀られている地蔵尊は度々千曲川の大洪水に見舞われて流亡した黒彦村の多くの犠牲者を弔っています。
旧黒彦村は、現在の千曲川河川敷の中央部辺りの大きな中洲に非農耕民(商人や多種の技能職人ら)の家多数が集中する都市型の大きな村であったと言われます。水運で栄え少し下流の船山守護所(小船山か鋳物師屋に所在したとされる)への物流拠点であったと考えられています。
しかし慶長7(1602)年の大洪水で集落は押し流されて僅かな生存者は周辺の集落に分散を余儀なくされました。千本柳に祀られている黒彦神社は洪水によって流されて現在の地にあると伝わる。その後若宮、千本柳、徳間の各方面から黒彦河原に向けて何度か復興への開発が試みられたようです。しかし江戸時代の期間だけでも64回も繰り返された洪水によって阻まれ、黒彦村の復活はなりませんでした。

岩船地蔵尊

岩船地蔵尊

岩船地蔵尊

岩船地蔵尊

岩船地蔵尊

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