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ちくま大百科

【文化財・遺産・史跡】姨捨の棚田

所在:千曲市姨捨

月の都の中心、さらしな姨捨の棚田は、古来より日本三大名月の里として日本人のあこがれの地でした。他の2か所の名月の里は、石山寺(滋賀県大津市)、桂浜(高知県高知市)です。 
 この姨捨の棚田は標高(460m~560m)の傾斜地で、約1500枚の棚田が有ります。
 江戸時代の初めには畑と田が混在する耕作地で、その後日本を代表する棚田の文化的景観を形成しました。  
 姨捨の棚田の構造は、土石流が作った斜面上の棚田です。特記すべきは、上流の枯れることない弁天清水を水源地として、大池・更級川の整備、保守がこの地の人々の汗と歴史の中でこの棚田をつないできたことです。                                姨捨の棚田には三つの特徴があります。①上の田から次の田へ水を落とす「田越給水」②傾斜地、地滑り地の再崩落を防ぐための無数に通された「ガニセ」と呼ばれる暗渠排水③千曲川から上がる爽やかな秋風で刈り取った稲を自然乾燥する「はぜかけ」等がその特徴です。 
 ここはまた眼下に日本一の長河千曲川、善光寺平の景観と遠くには飯綱山・新潟県との県境の高妻山・戸隠連峰、志賀高原・菅平、近くに妻女山・有明山・鏡台山・五里ヶ峯などいずれも心を癒す素晴らしい景色が広がっています。姨捨の棚田からは善光寺平が眼下に広がり、昼間も夜間も四季折々の景観が見られ心を癒してくれます。
 西行法師が名づけたと伝わる四十八枚田は、田毎観音を中心に昔の様を残す歴史的な棚田であり、歌川広重の画にも伝わる「田毎の月」は日本人の心象風景としてこれからも伝えられるものです。

H8(1996) オーナ制度・棚田貸します制度創設
H9(1997) 全国棚田サミット開催
H11.5.10(1999) 名勝(田毎の月)農耕地で初めて文化財指定を受けた
H22.02.22(2010) 重要文化的景観の「姨捨棚田」に選定
R02.06.10 (2020) 「日本遺産 月の都千曲」選定(姨捨棚田はその中心地)
「日本100名月 姨捨棚田にのぼる月」に認定

※こうして歴史とともに造り、守られてきたこの里の棚田が今、後継者がいなく維持できない所に来ています。
色々な手段があります、今の世代の我々が、協力してゆくことが大切かと思います。
ご一緒に、姨捨棚田にきて、汗を流して、美味しい「おこびれ」を食べて、眼前の景色を楽しみませんか!
芭蕉始め俳人歌人の愛した月の都に立って一句作ってみませんか! 鏡台山にのぼる名月を楽しみませんか!
水や昆虫沢蟹などと自然との時をすごしてみませんか!

冬の棚田

冬の棚田

春の棚田

春の棚田

秋の棚田

秋の棚田

田毎観音と48枚田

田毎観音と48枚田

広重の信濃田毎月鏡台山

広重の信濃田毎月鏡台山

鏡台山にのぼる月

鏡台山にのぼる月

鏡台山にのぼる月

鏡台山にのぼる月

姨岩よりの月

姨岩よりの月

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