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ちくま大百科

【事件・出来事】警廃事件(警察署廃止事件)

所在:千曲市屋代

明治から大正にかけては「郡」の単位で政治が行われ(郡制)、郡には役所と警察署が置かれました。埴科郡に於いては、屋代に郡の役所と屋代警察署が置かれましたが、大正15年(1926)、時の長野県知事は何の前触れもなく一方的に、屋代・岩村田・中野の警察署を廃止することを決めました。警察署の廃止は同時に郡の役所の廃止にも繋がり、郡都として発展した屋代町にとっては大変な打撃で大問題でした。町では町民・郡民大会を開き、町長・助役・町会議員が総辞職して抗議し、また3町挙げての警察署廃止の反対運動は長野市城山での大々的な県民大会にまで発展し、当日は長野駅前から2500人余の大行進となりました。群衆の中には県庁や知事官舎を襲い、知事・警察部長等に抗議や乱暴を働いた者もいて、「騒擾(そうじょう)罪」として処罰を受けましたが、同時に県知事は免職となりました。「警廃事件」として大きく報道された事件ですが、代わりの新任知事は昭和2年(1927)、3つの警察薯の復活を発表しました。警察署復活に力を注いだ先人の熱い情熱と志に敬意を払いたい思いです。

【参考事項】

・「屋代の歴史物語」 大橋幸文書 屋代のまちづくりを考える会発行
・「ちょうま 第25号」 大正15年 警察署廃止事件―屋代警察署復活運動を中心に― 半田照彦氏寄稿文

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