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ちくま大百科

【生活・行事・民俗】鼻取り地蔵

所在:千曲市屋代

「鼻取り地蔵尊」は一重山不動尊堂に不動尊と一緒に祀られている石像で、天正3年(1575)頃に安置されたといいます。日照りになると、これを五十里(いかり)川に放って“雨降らせ給え”と祈ったという「雨乞い祈願のお地蔵様」でした。何回も放られて鼻や手が欠けていますが、今は大切に保存されています。また、やしろ民話として語り継がれた伝説「鼻取り地蔵」も有名です。

【昔々、一重山の麓に貧しい百姓夫婦が住んでいました。ある日、草むらで小さなお地蔵様を見つけた2人は、お地蔵様を見晴らしの良い場所へ運び、毎日仕事の帰りに拝むようになりました。ある年、夫が重い病になり田植えも出来なくなってしまったので、仕方なく妻が一人で田んぼを耕していると、どこからともなく、小僧がやってきて、馬の鼻取り(たづなを取って馬をあやつること)をしながら田を起こし、田植えを済ますと、どこかへ消えてしまったのです。帰り道、妻がお地蔵さまを見ると、田の泥がついていたので、これはお地蔵様の助けに違いないと、益々信心したところ、夫に病も治り、段々裕福になり、夫婦はやがて屋代長者と言われるようになりましたそうな】

一重山入り口前の案内板には、森獏郎氏の絵と共に、鼻取り地蔵の民話も掲載されています。

一重山入り口前の案内板には、森獏郎氏の絵と共に、鼻取り地蔵の民話も掲載されています。

一重山不動尊堂に祀られている鼻取り地蔵尊

一重山不動尊堂に祀られている鼻取り地蔵尊

【参考事項】

・一重山散策マップの中の民話内容(千曲市環境市民会議・屋代を語る会発行)
・一重山入り口の案内板に記された鼻取り地蔵の民話
・「屋代の歴史物語」  大橋幸文著 屋代のまちづくりを考える会 発行
・「やしろ」創刊号 (屋代を語る会発行)

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