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ちくま大百科

【生活・行事・民俗】姨捨孝子伝説と姨岩伝説

所在:千曲市八幡

月の都 姨捨にはたくさんの民話伝説がありますが、ここでは代表的な2話をご紹介いたします。

姨捨伝説(孝行息子と老人の知恵の話)昔この里には殿様のお達しで、60歳になったら年寄りを姨捨山に捨てなければなりませんでした。
若者の母もこの時を迎え、泣く泣く背負い山に連れて行きましたが、置いてくることが出来ず、自分の家に地下室を作り秘密に住まわせていました。
ある時この国に隣の国から「灰でなった縄を差出せ、出来なければ攻め込んで滅ぼしてしまうぞ」と難題が突き付けられ、国中で知恵を絞りましたが「灰の縄」を作ることが出来ませんでした。
これを聞いた若者が母親に聞いたところ母はその作り方を教えてくれ、殿様に申し上げご褒美をたくさんいただきました。
その後も隣の国からは「ほら貝の曲くねった穴に紐を通せ」とか「まん丸に削った,丸太のどちらが根元か当てよ」等と次々に難問が突き付けられ、誰もが解けない事を息子の母親が解決してくれました。
隣の国の殿様は「こんな知恵者が居る国と戦っても勝ち目はない」と攻め込むの諦め平和が訪れました。やがて子の知恵が老人の知恵であることを知り、棄老の命令を撤回し、老人を大切にする国に変わりました。また親孝行な息子はたいそう褒められたということです。

姨岩伝説(木花咲耶姫と大山姫の話ーー月の光は人の心を清らかにする)木花咲耶姫という見目麗しき妹姫と姉の大山姫がおりました。大山姫は世の荒波の中で、心がねじ曲がり、世の見方、行動も意地悪な姫となっていました。妹姫が心配して神にお願いすると「さらしなの高根を越えたところに大岩があるからそこで月を見なさい」とのお告げがあり、二人してこの大岩に登りました。やがて鏡台山から美しい満月が上り、この里を一面に照らしました。この光を浴びた大山姫は心を洗われ生まれた時の様な「さやけき心」を取り戻し叫びました。「神様、私は、いつの間にかさやけき心をなくしていました、これからは人々の為に働きたい、こんな私でもできるのでしょうか!」 その時月の宮の建御名方神からの声が響き、 「大山姫よ、今のお前の心が一番大切なのだ。さー私と一緒に月の都に上がり人々の為に働こう!。」こうこうと光り輝く満月から数百条の光の架け橋が姨岩にかかり大山姫は月の宮に登って行かれました。
この地の月の光は「人をさやけき心」にしてくれます。波多き世ではありますが、欲張りや、不信ごまかしや、だましがいっぱいの世ではありますが、自分の心だけはごまかさず、「さやけき心」でこの世を遅れたらと思います。

長楽寺 姨岩

長楽寺 姨岩

郷嶺山の孝子観音

郷嶺山の孝子観音

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