所在:桑原(佐野)
桑原地区の山すそにある薬師堂。平安末期、医王院建立が開山とされています。本尊は行基作と言われる薬師如来で、薬壺(やっこ)を持ち煩悩や病苦を癒してくれます。特に眼病に霊験あらたかで、手前の薬師池には身代わりとなった片目のドジョウが住むという言い伝えがあります。200余段の石段を上ると仁王門があり、弘法大師の弟子の円仁作と伝わる金剛力士像が安置されています。度重なる火災で、本尊は炭化しているが、頭部と胸部は峻厳な姿態を残し名作を思わせるものがあります。佐野薬師の祭りには佐久間象山の幟旗が上がり、参詣者の中にはこの幟に拝礼する人もいたそうです。
桑原村史