伝説 笄の渡し/千曲市力石「笄の渡し」は上山田温泉から千曲川上流2kmあたりに位置します。北信濃一帯に勢力を張った豪族村上義清は武田勢と戦い居城葛尾城を攻められ天文22(1553)年4月落城寸前に攻められました。義清の奥方は侍女たちと共に敵の追手を逃れ一族山田氏の守る荒砥城へと落ちのびようと千曲川の渡し場から舟に乗りました。船を降りるとき船頭が細かく荒砥城までの道を教えてくれた親切に感謝し「火急のため鳥目(金銭)は持ち合わせていないが、せめてこれを受け取っておくれ」と、お礼として自分の髪にさしていた笄を渡り賃として贈ったといいます。
この事を伝え聞いた人々はこの渡し場を「笄の渡し」と呼ぶようになったという事です。